授乳中の酒の影響とは?
仕事を終えお酒を1杯…、
久しぶりに会う友人とちょっと飲みに…等、
お酒が楽しみの1つという方も
少なくありません。
しかし、「胎児性アルコール症候群」
という影響を胎児へ及ぼすリスクが高いことから
妊娠中はアルコールの摂取を
控えていたことでしょう。
無事出産を終え、
そろそろアルコールを解禁したいな…
と考える方もあるかもしれません。
ただ、授乳中の場合、
乳児への影響がどのように、
また、どの程度あるのかと、
不安を覚える方も多い事と察します。
そこで今回は、
授乳中のアルコール摂取が
乳児へどのような影響があるのかについて
ご紹介致します。
授乳中の飲酒による母体への影響について
通常アルコールを摂取すると、
血液中のアルコール濃度が上がります。
母乳は血液より作られるため、
授乳中の飲酒は母乳のアルコール濃度も、
高いものにしてしまいます。
飲酒後1時間が経過しても、
母乳に含まれるアルコール濃度は、
90%〜95%と非常に高い数値が出ています。
そのため、授乳中の飲酒はアルコールを
分解する肝臓の働きが未熟な乳児に、
アルコール濃度が高い母乳を
含ませるということに繋がります。
また、母乳を作るホルモンの1つである
「プロラクチン」という
ホルモンの分泌が抑制されてしまい、
母乳の量が減ってしまいます。
そして、もう1つのホルモンである
「オキシトシン」の分泌が抑制されることで、
乳児が乳首を吸うと母乳が出る「射乳反射」
の働きも妨げてしまうという発表もあります。
しかしその一方で、
アルコールは悪影響は及ぼすものの、
母乳育児の禁忌事項には当たらないという
発表もあります。
つまり、授乳中の飲酒による母乳量については、
実はまだわかっていないこともあり、
専門機関により見解が分かれているというの
が現状なのです。
乳児にはどのような影響があるのか
アルコールが移行している母乳を
乳児が摂取するということは、
母体の血中アルコール濃度と、
ほぼ同じ濃度のアルコールを
飲ませてしまうということになります。
摂取量や摂取期間によっては、
乳児にアルコール中毒の症状が
起こることがあります。
軽度であれば、睡眠時間が短縮されたり、
運動能力の発達に
遅れが生じたりすることがあります。
そして、肥満なども
アルコールの影響として考えられています。
乳児のアルコール摂取が慢性的な場合には、
低身長・低体重といった成長や、
記憶障害・学習障害といった認知能力等への
悪影響が現れると言われています。
授乳中に飲酒しても大丈夫?
飲酒のために断乳する必要はないという
研究報告はあるものの、
アルコールは悪影響を及ぼす
というのは確かです。
そのため、授乳間隔が短い新生児期は、
特に禁酒をした方が安全と言えるでしょう。
ノンアルコール飲料も、
商品によっては1%未満のアルコールを
含んでいることがあるため、
事前に確認が必要です。
基本的に、授乳期間中のアルコール摂取は
避けることが勧められています。
アルコールの摂取について
悩んだり、希望がある場合には、
飲酒する前に一度、
医師に相談してみると良いでしょう。