授乳中の生理での貧血の対処法とは?
母乳で育児をしている間は生理が来ない、
という話を耳にした方は多いでしょう。
女性の生理が再開するのは、
授乳タイプに関わらず
平均すると産後8ヶ月くらいと言われています。
その一方で、
早い方は産後2ヶ月程で生理が始まっており、
一概に「授乳中は生理が来ない」
とは言えないのが現状です。
授乳中に生理が来た時に、
一番気をつけたいのは貧血です。
血液から母乳が生成されているので、
元から貧血になりやすい身体の状態で、
血液を排出する生理が再開すると
貧血を起こす可能性はさらに高くなります。
そこで今回は、授乳中に生理が再開し、
貧血になってしまった時の
対象法についてご紹介します。
出産後の女性の身体の変化について
女性の身体は出産後、
赤ちゃんを育てるための身体へ変わります。
つまり、体内のホルモンバランスが
母乳の生成に必要なものに変わり、
授乳ができる準備を始めるのです。
そのホルモンの1つ「プロラクチン」は、
排卵を抑制する働きがあります。
ですから、
次の妊娠よりも赤ちゃんを育てるための
ホルモンが働いている間、
基本的には生理は止まっている状態になります。
一般的に「授乳中は生理が来ない」
と言われているのは、
こういった働きが女性の
身体の中で起きているからなのです。
しかし、現代の女性は社会環境等の変化により、
授乳中の生理の再開はないということが、
一概に言えなくなってきています。
個人差であり病気ではないので心
配することはありません。
妊娠・出産・授乳といった状況に応じて、
女性ホルモンが変化するため、
出産後の女性を取り巻く環境の変化も、
ホルモンの分泌に深く関わるということです。
授乳中に生理が来ると貧血になりやすいのは?
まず、授乳中や生理による、
鉄分不足から起こる貧血を
「鉄欠乏性貧血」と言います。
血液の中にあるヘモグロビンが、
鉄分により酸素と合体し、
身体中に酸素を運搬していますので、
鉄分はとても大事な役割を担っているのです。
授乳中の赤ちゃんは、
お母さんの血液からできている母乳を通して、
栄養を摂取しています。
母乳には当然鉄分も含まれており、
授乳中は元々貧血を起こしやすい期間なのです。
そこに、自分でコントロールすることが
不可能な生理が再開し、
血液が排出されてしまうことで、
より身体の中の鉄分が減ってしまいます。
そうなるとヘモグロビンと酸素が合体できず、
身体に十分な酸素を送ることができなくなり、
鉄欠乏性貧血を起こしてしまう可能性が、
より高くなってしまうのです。
授乳中の貧血の対処法は?
まずは、栄養バランスの良い食事から、
コツコツと鉄分を摂取することが
一番最初にできる対処方法になります。
鉄分の多い食品は、肉・魚・卵・大豆製品
ひじき等になりますので、
積極的に摂取するようにしましょう。
それでもなかなか改善されない場合には、
かかりつけの医師に相談し、
鉄分を補う鉄製剤の処方をしてもらうのも
対処方法の1つとなります。
ただし、鉄製剤には吐き気や下痢等の、
副作用を引き起こす可能性もあります。
身体に変化が起きた場合には、
早めに医師に相談することが必要です。
また、授乳を1日5〜6回行うことが、
排卵を抑制するホルモンを活発にさせるので、
生理の再開を遅らせるということにも
繋がっていきます。
出産後初めて生理が再開してからも、
授乳を行っていたことで、
次の生理が半年後になったということも
あるようです。
授乳期は貧血を起こしやすい期間です。
この時期に生理が重なる等で、
貧血症状が起きたら、休息をとりつつしっかりと
鉄分を補給するよう心がけてください。